さおり形まず能くその物に成り、さて能くその態を似せよ。
まず演じるべき対象になりきり、そのなりきった姿ですべての演技をせよ。
姿になりきったうえで舞い、演技のしぐさや謡もすべてその姿の内部から出てくるように演じなければならない。

目前心後
眼で前を見ながら、さらに心の眼を自分の背後に置く。
能の演者は、自分の姿を観客の目でも見、左右前後、さらに自分の後姿まで自覚し、つまり心の目で体のすみずみまで意識して優美な舞姿を保たねばならない。

54歩動十分心、動七分身
心は十分に動かし、身体は七分に動かす。心にはいっぱいに気持ちを込め、身体の動きを控えめに演技すれば、十分に動いた心が演技の情緒的な表現になり、面白い風情を伝える。




野上指導強身動宥足踏、強足踏宥身動
身体を強く動かす時には足は柔らかく踏みならし、足を強く踏む時には身体を静かに動かす。演技の視覚効果と聴覚効果をずらし、その融合する面白い風情を感じさせる。

まさしく空手道の「形」であります。ご参考に。